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カート

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Grabado Coatlicue GD001

セール価格¥27,500
Size: 27.5 x 37.5cm

アステカ神話における最も象徴的かつ畏怖される存在、コアトリクエ(Coatlicue)を題材とした版画。

コアトリクエは、「蛇のスカートをまとう者」という意を持ち、大地母神としての性格と、死と再生を司る神格とを併せ持つ。彼女の姿は常に両義的であり、破壊と創造、生と死、母性と恐怖が交錯する神秘の存在として、古代メソアメリカ世界において畏敬の念を集めてきた。

メキシコシティを本拠地にオアハカでも活動するPablo Nietoの手による本作は繊細なエッチングでコアトリクエの複雑な象徴体系を見事に視覚化している。頭部は蛇の鱗に覆われ、鋭い鉤爪と4本の巨大な牙、二又に裂けた舌を有し、見開いた小さく丸い眼が異形の存在であることを示している。胴には、蛇が絡み合って編まれたスカートをまとい、切り取られた人間の手と心臓が交互に並ぶ首飾りを垂らし、その中心には頭蓋骨がぶら下げられている。大地母神からかけ離れた異形の姿はこれは単なる残虐性の表現ではなく、「死を通じて命を生む」というアステカ的宇宙観そのものを象徴している。